NO.337 2014年 1月27日

「兄弟たちが共に住む幸い」 中谷美津雄 牧師

見よ。兄弟たちが一つになって共に住むことは、なんというしあわせ、なんという楽しさであろう。それは頭の上にそそがれたとうとい油のようだ。それはひげに、アロンのひげに流れてその衣のえりにまで流れしたたる。それはまたシオンの山々におりるヘルモンの露にも似ている。主がそこにとこしえのいのちの祝福を命じられたからである。 (133)

 

詩篇133篇は「都上りの歌」の一つ。地方に住む人々がエルサレムの神殿で礼拝する旅の途上歌った巡礼の歌と考えられます。

 

Ⅰ.兄弟たちが共に住む幸せ

 

血縁の兄弟姉妹   イスラエル人の歴史は民族離散の繰り返しであり、この歌はそれを背景に歌われたと思われます。彼らにとって、故郷エルサレムに戻り、愛する家族や親しい同族の人々が集まって共に住み、神殿で一緒に礼拝を捧げることにまさる幸いはありませんでした。その日を待ち望み、夢見ながらこの歌を歌ったのでしょう。

 

主にある兄弟姉妹   イエス・キリストを信じて罪赦され神の子とされた者は、国や民族の違いを超えて、皆同じ神の国の民、神の家族、主にある兄弟姉妹です。イエス様が備えると約束してくださった天にある住まいに共に住み、まことの神さまを賛美し礼拝するその日は、どんなに幸いなことでしょうか。それは今この世にあって得る幸いでもあります。主にある兄弟姉妹が共に住み、共に交わり、共に礼拝できるのは何と幸いでしょう。

 

一人でも多くの人が救われて神の家族、兄弟姉妹になることを祈りましょう。また、愛する肉の家族が救われて、霊の兄弟姉妹となり、御国で共に住めるように祈りましょう。

 

Ⅱ.兄弟姉妹が共に住む幸いのたとえ

 

アロンに注がれた尊い油  それは大祭司の任職の油です。たっぷり注がれて、ひげに流れ、大祭司の聖なる装束の衣のえりにまで流れしたたります。その衣の肩のところにはイスラエル12部族の名前を刻んだシマメノウがついています。油がその宝石にまで流れ及ぶのは、聖霊が大祭司を通して全イスラエルに及ぶことを表します。イエス様は昇天後、父なる神の右の座につき、聖霊を遣わされました。聖霊は主を信じるすべての人々に与えられ、救いの保証となり、キリストの証人としての原動力となりました。

 

シオンの山々におりる露の祝福  「シオン」とは、エルサレム、更にはイスラエルの地域全体を表す地名です。その名前は、語源的には「荒地や乾燥地」を意味するのだそうです。ヘルモン山はイスラエルの北にあって夏も雪をたたえる高山であり、ヨルダンの源流があるところです。シオンの山々におりてその地に豊かな実りをもたらす露は、やはり聖霊の象徴です。聖霊は罪のために荒地となっていた私たちの上におりて、いのちの祝福で満たしてくださるのです。主イエスを信じ、与えられた御霊によって祈り、御霊の賜物を活用し、豊かな御霊の実を結ぶ幸いを感謝し、喜びましょう。